Yahoo!が推奨するロジックツリーの盲点

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Yahoo!のロジックツリーの盲点

リスティング広告を運用して行く中で、思うような結果に結びつかない場合、どのように対処すれば良いのか。

原因が分かれば改善方法も分かるはずなのに。。そんなお悩みに答えるべく、ヤフーさんが用意されているのがロジックツリーです。

公式ラーニングポータル
https://promotionalads.yahoo.co.jp/online/reference_pdf.html

ロジックツリーを使うと、ものごとの原因と結果が一目でわかるため、問題点や解決策を見つけやすくなります。いつも手元に置いて確認するようにしましょう。

筆者も新人の頃は印刷してデスクに置いていたものでした。健気な頃が懐かしいです。

リスティング広告に関する著書を多数出されている阿部圭司さんも、「リスティング広告は因数分解で考えよう」とおっしゃっています。

因数分解で考えると、原因と結果の関係が図解で理解しやすく、ボトルネックを見極めやすいのが最大の利点ですね。

一方で、ヤフーさんの作られたロジックツリーには注意が必要な点があると筆者は考えております。

例えば、「コンバージョン数を増やしたい」というお悩みに対して、このロジックツリーには以下のように対処方法が紹介されています。

①コンバージョン数を増やしたい
→クリック数を増やす。

②クリック数を増やすには
→インプレッション数を増やす or クリック率を上げる。

③インプレッション数を増やすには

  • キーワードを追加する。
  • 部分一致に変更する。
  • 掲載順位を上げる。
  • 1日の予算を上げる。

④クリック率を上げるには

  • 掲載順位を上げる。
  • 広告文を見直す。

一見、なるほどという内容だと思います。しかし一つだけ注意が必要な点、それは「コスト」に関する概念が含まれていないという点です。

インプレッション数を増やせば、本当にクリック数は増えるのか?

③のインプレッションを増やす施策を全て実行し、無事インプレッションが増えた場合、本当にクリック数は増えるのでしょうか?

結論としては条件付きでYESです。その条件とは以下の2つ。

  • 予算を使い切れていない場合。
  • 予算追加が許されている場合。

つまり、月額予算50万円使っていいよと言われているのに、30万円しか消化されていないケースや、CV取れるならどんどん予算突っ込んでいいよと認められているケースであれば、この施策は有効だと思います。

ただし、リスティング広告を運用されている企業さまの多くは中小企業であり、月額10万円や20万円の中でやりくりしている場合も多いのが現状です。

常時上位掲載を必要とされる大手企業以外は、年間や月額の予算は予め決まっていて、頻繁な予算追加も難しいのが殆どです。

そんな中で、ただ単にインプレッションを増やし、クリック数を増やすだけではあっという間に予算の上限に達してしまいます。

なので、コンバージョン数を増やす施策としてのクリック数増加案は、予算が増やせる事が前提なら有効であるというのが筆者の考えです。
※④のクリック率を上げるという対処をした場合でも同様。

じゃあどうすればいいんだよ

そうですね。単に批評するだけでは芸がありませんので、クリック数を増やす為の第3の解決策を提示してみたいと思います。

限られた月額予算の中で、効率よくクリック数を増やす方法。

それはズバリ「クリック単価」を下げるという事です。

なんだそんな事かと思われるかも知れませんが、クリック単価を下げる事でどれ程の威力があるのか、下記に表にまとめてみました。

●月額広告費が10万円の場合に獲得できるクリック数とCPCの相関表

クリック
単価
クリック数
(回)
¥1 100,000
¥5 20,000
¥10 10,000
¥15 6,667
¥20 5,000
¥25 4,000
¥30 3,333
¥35 2,857
¥40 2,500
¥45 2,222
¥50 2,000
¥60 1,667
¥70 1,429
¥80 1,250
¥90 1,111
¥100 1,000
¥150 667
¥200 500
¥250 400
¥300 333
¥350 286
¥400 250
¥450 222
¥500 200
¥550 182
¥600 167
¥650 154
¥700 143
¥750 133
¥800 125
¥850 118
¥900 111
¥950 105
¥1,000 100

いかがでしょうか。クリック単価が下がるだけで、同じ10万円の予算でもこんなにもクリック数に差が出ます。現在の平均クリック単価を、5円でも10円でも下げられれば、クリック数が数百回増加します。

例)クリック単価50円から40円に下げられれば、クリック数は500回増加。クリック単価25円から20円に下げられれば、クリック数は1,000回増加。

たった、5円・10円。されど5円・10円。クリック単価1円にどこまでこだわれるのか?それこそがプロフェッショナルか否かの差だと筆者は感じています。

クリック数が増えれば、それだけコンバージョンするチャンスも増えて行きます。
クリック単価を下げるコツにつきましては、また改めて記事を書きたいと思います。

最後までお読み頂き有難うございました。

●参考
全てのリスティング広告プレイヤーは因数分解思考を手に入れよう
https://anagrams.jp/blog/all-listing-advertisement-players-will-get-factorization-thought/