ターゲットセグメンテーションについて

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ターゲットセグメンテーションについて

今回は、インターネット集客を行う上で最も重要なターゲットセグメンテーションについて考えてみたいと思います。例えばリスティング広告はGoogleアドワーズですと1,000円~出稿ができ(Yahoo!プロモーション広告は3,000円~)、審査も最短1日で終わるなど、低予算&スピーディでかつ費用対効果も高いという、まさに早い・安い・旨いを体現したような素晴らしい広告テクノロジーです。一方で、運用型広告である事から運用する人によってパフォーマンスにかなりの差が出る為、優秀な人ほど広告予算が大きく重要な案件を任されます。

新卒や中途で、新しくリスティング広告プレイヤーになった方は、月額5万円ほどの予算のアカウントから経験を積んでいくというケースがほとんどです。※筆者もそうでした。では何故、運用する人によって大きく差が出てしまうのでしょうか?日々管理画面をしっかりチェックできる忍耐力や、パフォーマンス悪化の危険性を察知できる能力、獲得の伸びそうなキーワードやプレースメントを見極める分析力など、様々な要因があげられますが一番大きなものは戦略に基づいたアカウント構成を作れるかどうかにかかっていると筆者は考えます。

検索連動型広告なら、登録キーワードをどのようにグルーピングし、キャンペーンや広告グループを構成していくか、ディスプレイネットワーク広告なら年齢・性別・地域・興味関心・配信サイト等をどのように設定しくかといったような、アカウント構成が重要になります。

アカウント構成をしっかりと根拠あるものにするには、マーケティング知識に基づいた戦略立案をする事が重要になります。ただ、突然マーケティング戦略を立てろと言われても、どこから手を付けて良いものやら中々分からないものです。そこで今回は代表的な切り口をご紹介します。

■人口統計学から糸口を探る

  1. デモグラフィック属性(年齢・性別・地域・職業・収入・学歴等)
  2. ジオグラフィック属性(居住地域・地域特性・気候等)
  3. サイコグラフィック属性(ライフスタイル・興味関心・趣味・価値観等)

※ジオとは、地球・地理・土地などの意味。デモグラフィック属性に含まれる場合もあります。サイコは、精神の意味があります。

■3P分析から糸口を探る

  1. 自社(company)
  2. 競合(competitor)
  3. 市場(customer)

プロモーションしたい商品やサービスを、自社・競合他社・市場(マーケット)の3つの視点から客観的に分析すると、競争優位性や差別化要因が見えてきます。どこで戦えば良いのか、セールスポイントはどこなのかを明確にする事で、リスティング広告の広告文や、バナーやランディングページのキャッチコピーも統一されてきます。

■STP分析から糸口を探る

  1. セグメンテーション(segmentation)
  2. ターゲティング(targeting)
  3. ポジショニング(positioning)

人口統計学や、3P分析によって大まかな傾向が掴めて来たら、STP分析によってより具体的な戦略に落とし込んでいきます。

セグメンテーションでは、特定の趣味嗜好や属性を持つ人ごとにグルーピングをします。市場細分化とも呼ばれます。
ターゲティングでは、どのセグメンテーションに狙いを定めるのかを決定します。
ポジショニングでは、競合と比較して強みと弱みを見極めどの位置で戦うかを決定します。マトリックス図を用いると分かりやすくなります。

■PEST分析

  1. 政治(political)
  2. 経済(economical)
  3. 社会(social)
  4. 技術(technological)

政治的な政策により、法律が変わったり助成金が用意されるなどすれば、市場に大きく影響を与えます。経済は円高や円安、デフレやインフレなど景気が市場に与える影響です。社会は、人口構成や社会的な問題が市場にも大きく影響を与えます。技術はスマートフォンやAI、医療技術含め、様々な技術革新により新たな市場が生まれたり、逆にある分野が縮小したりします。

■ペルソナ分析

年齢・性別・職業・趣味・ライフスタイルなど、顧客モデルを具体的に考える事で、より本質に近いマーケティングが可能です。ECサイトなどは実顧客データ属性を活用しやすい環境と言えます。

上記のようなマーケティングフレームワークを活用して、ターゲットごとにそれぞれに適切なメッセージを届けます。その他季節要因(シーズナリティ)なども考慮するとより効率の良いマーケティング活動が実施できるでしょう。